スリーキングス

ジョージクルーニー 

マークウォルバーグ

小説「土漠の花」月村了衛

を読んでふと思い出し

もう10年以上前(1999年米公開で見たのが2001年)の映画ですが

僕の生涯ベスト10映画に入るかもしれない傑作です。

当時ジョージクルーニーが売れ始めた頃、

日本では同時期に「パーフェクトストーム」も上映されていて

興行的には「パーフェクト」のほうが良かったようですが

僕は両方見ましたけど断然「スリーキングス」のほうがよかったです。

湾岸戦争終結直後のイラクを舞台に

不良米兵4人が私欲のため米軍の旗をふりかざし

職権乱用し金塊強奪を計画。

あっさり強奪に成功し帰りに通りかかった現地の村で

ある民間人女性がイラク軍によって処刑される場面に遭遇。

一度は無視して通り過ぎようとするのですが、葛藤の末イラク軍を攻撃し

その他の村民を助ける。

しかし、一応米軍の旗に遠慮していたイラク軍も

米軍からの攻撃で枷も外れ一気に乱激戦に突入し・・・。

この場面前半の重要なポイントです。

今回このレビューを書くにあたりネット上の他の人のレビューを

いくつか見たのですがけっこう賛否分かれていて

否定派の意見としては「泥棒が急に正義感ふりかざし村民を助けたことが解せない」

ハリウッド戦争映画にありがちな「アメリカの自己中的軍事介入賛美もの」

というのが多いようでしたが

何も考えずにあっさりと攻撃したなら(米兵がイラク軍を)

否定派の方々のご意見はもっともだと思いますが、

葛藤の末攻撃したという

葛藤をしっかり描いているところがイイんです。

イラク軍の非人道な行為を見て米兵たちは

一度無視して通り過ぎようとしたのですが、

とどまり、イラク軍に銃口を向けます

米兵4人の指揮官はゲイツ少佐(クルーニー)

イラク軍も米兵に銃口を向け緊張状態で向かい合います

人数、火力ともにイラク軍が圧倒的、米兵は非公式にコソ泥してる4人組

せっかくあっさり強奪できた金塊

余計なことに首を突っ込めば台無しになりかねない

何より戦争は終っている。ここで攻撃すれば「内政干渉。軍事協定違反」

つまりここで村民を助けても何の正義もない

それどころか国際的な大問題になる

ということをゲイツも他の部下3名も重々理解している

イラク軍指揮官も分かっている

簡単に米軍は攻撃できない、仮にしてきても火力はイラク軍圧倒的有利

撃ってきたら撃ってきたで、即、ハチの巣にしてやる

と、ゲイツの決断をおもしろがって見守っている

「米軍はお呼びじゃない、金塊はくれてやるからさっさと立ち去れ」

ゲイツはギリギリまで悩んだあげく発砲を指示。

この時のゲイツの心境はきっとこうだったのだと解釈してるのです

「このまま見て見ぬふりして帰れば計画は完璧に成功。余生は悠々自適に暮らせる。

が、しかし、見殺しにした村民たちが脳裏に焼きつき二度と心から笑えなくなるだろう。

だから、ここはやはり撃つべし。軍法会議クソくらえ」

つまり自分のために撃ったので正義感を振りかざしたのではないのだと思います。

そこから一気に乱激戦に突入。火力で圧倒された米兵たちは、

車両、武器を失い、命からがら、民間人たちの地下隠れ家に逃げ伸びる

しかし、仲間のトロイ(ウォルバーグ)がイラク軍に捕まる

さらに民間人たちは実は反政府組織だった。

先程殺された女性は組織のリーダー、アミールの妻だった。

ますます米兵の行動に正義は無くなる

金塊は残ったが運ぶ足もない、トロイ救出もしなければならない。

事態は一転、最悪に。

そこでアミールからの提案がある

金塊の運搬とトロイ救出に反政府組織のメンバーが協力する

代わりにクウェートに亡命するため国境まで米軍の旗を盾に

護衛してほしい

そんな提案のめるわけがない

それこそ「内政干渉・軍事協定違反」だ

ここでも悩み、葛藤が描かれた末その提案をしぶしぶ飲む

以降はトロイの救出劇、亡命包助劇となるわけですが

アミール側からしても米軍は敵のようなもの。妻は結局殺されたし。

フセイン政権下のイラク国内はますます混乱している

米軍の軍事介入と中途半端な撤退が原因

結局クウエートの石油利権の安定確保だけが目的だったのではと思っている

そんな訳で二人は、自分たちの利害のためお互いにしぶしぶ手を組みます

最初は対立し合っていた二人がともに戦っていくうちに

少しづつ心を通わせていきます。

下世話に言えば

男の友情を描いた、王道アクションエンターテーメント

として単純にみてもしっかり面白くできていて

ラストシーンのクルーニーの目の演技にはグッときました

また、背後にしっかり社会性もあり

湾岸戦争についても賛美というよりはむしろ批判、風刺の目線を

ストーリーのスピード感を失わないようにうまく織り込み

しっかりと描いているところがすばらしかったです。

(実際、この映画監督は湾岸戦争の反戦ドキュメンタリーも撮っていて

それが米国内で発売禁止になったとか上映禁止になったとか・・)

余談です

再三「内政干渉」という言葉が出てくるのですが

この映画を見る以前、20代の僕は

フセ○ンや北朝鮮の○○○のような明らかな悪人

をなぜのうのうと生かしているのか

とっとと○○してしまえ

ぐらいに思っていましたが

やはりそれは間違った考えなんだと

この映画を見て思い直す事になるわけです

そういう意味においては

人生観を変えた作品ということになります

日本の歴史で例えるなら

秀吉がキリシタンの弾圧をかなり非人道に行ったようですが

この時、アメリカ軍が介入して秀吉政権を倒したとしたら

それは明らかな侵略行為です

また、その後の日本の歴史はどうなっていたのか・・

あまりいい例ではないですか・・

浅間山荘にたまたま通りかかった米兵が

民間人が政府に弾圧されていると勘違いし

連合赤軍に加担し日本の警官を撃ち殺したら

これもあまりいい例ではないか・・

要するに「内政干渉」=「侵略」とも言い換えられるので

世界には先進国・途上国があります

国家の精神レベルが日本の江戸時代のような国も

まだまだ沢山あるようです

それらの国に、先進国の理屈を急に押しつけても

うまくいくものでもなく

どんな先進国もかつては通ってきた道で

(戦国時代みたいな時代・戦前の日本のような)

それは自分たちで成長していくのを見守るほかない

他国が軍事的に介入することはしてはならない

と思うようになったのでした

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